*The way we were

 レッドフォードが一番輝いていた頃の映画。あの音楽と、海岸をバーバラストライサンドと並んで歩くポスターが忘れがたい。この映画邦題をよくぞ「追憶」と決めたものだ。昔の人はロマンチストだったのだろう。
 自分の持つDVDファイルを見ていてこの映画が目に付いた。しばらく自分の中で発酵していくのを待って鑑賞。あのダンスホールでレッドフォードが軍服で寝ている姿。そしてあのテーマミュージックと共に大学時代が蘇ってくる。かたや学生運動の女闘士。かたや恵まれた花形学生。テーマ曲を歌っているのはもちろん主役のバーバラストライサンド。
 この映画を観て感じるのは「失われた日々」。もう二度と戻らない「大事なもの・・・・愛する人や青春の日々」。もちろんこの映画の舞台の第二次世界大戦アメリカ&日本は開戦前)や、この映画が封切りされた時代も知らない。でも泣けてくる。自分は「学生運動」と「勉学や体育会系」にいそしんだ日々は知らない。この映画のような日々を過ごしたら(そして主人公達のような才能や熱意があったなら)、なんぼかええかとも思う。人生をやり直せるなら(それが不可能と知った上で)、こんな風に生きてみたいとも思う。それでも主人公達のように、やっぱり後悔しちゃうのだろうな。まぁ後悔しない人生なんてないのかも知れないな、実のところ。
 英語にしばらくはまってきたせいで、この時代の英語は多少理解できるようになってきた。本当に英語が分かる人はこの主人公達の本当の言葉を理解できるのだろうな、I envy you! 自分には字幕で「ハンバーガーとコーラ」と注文しているシーンで、実は「チーズバーガー」も注文している程度を理解できる程度なんだけれど。再会の「I'm very good loser」(翻訳では「しぶとく出来ているの」)は、どう訳したら良いんだろう・・・・? そしてレッドフォードの前髪を優しくなでる。丁度物語の一番最初のシーンで寝ているレッドフォードの前髪を易しくなでたように・・・・
 本当に愛した人がいて、そして時には涙を超越して愛することができた過去があって、もう戻れないという年齢なら、この映画を観て泣くしかない。それしかできない。
シドニー・ポラック監督、結構レッドフォードと組んでいるせいもあり、多数観ましたが、個人的にはどれも好きかな。これは映画音楽が思い出せる作品で好きかな。一番は「愛と哀しみの果て」かな。これも発酵するまで待ってから観たいな。
あの頃『追憶』のテーマが、もっと分かっていれば良かったのになぁ

Memories Light the corners of my mind
Misty watercolor memories Of the way we were
想い出は 私の心の隅々に光をあてる
霞んだ水彩画のような想い出 あの頃の私たちの想い出
Scattered pictures Of the smiles we left behind
Smiles we gave to one another For the way we were
散らばった絵には私たちが置き忘れた微笑みがある
二人で交わした微笑み あの頃の私たちへの微笑み
Can it be that it was all so simple then
Or has time rewritten every line
If we had the chance to do it all again
Tell me - would we?  Could we?
あの頃はすべてがこんなに単純だったのかしら
それとも時間が一行一行 書き変えてしまったのかしら
もし もう一度すべてをやり直す機会が持てるとしたら
ねえ 私たち やり直す? やり直すことができる?
Memories May be beautiful and yet
What's too painful to remember
We simply choose to forget
想い出は 美しいかもしれないけれど
蘇らせるには苦し過ぎるものでもある
それでただ 私たちは忘れる方を選んでしまう
So it is the laughter
We will remember Whenever we remember The way we were
だからこそ あの笑い声を
私たちは思い出してしまう
ああだったなあ―と 思い浮かべるたびに あの頃の私たちって
The way we were..
あの頃の私たちって..

ねえ、女子にはやり直す、なんてことはあり得ないのさ。でもね、こういう映画を観ると、お互い違う人と結婚して今は幸せだと感じるけれども、それでも「愛は永遠に続くんじゃないか?」と、つい、希望を持ってしまう。いいよね? 夢を持たせる、それこそが映画なんだから。2時間の夢、そして希望。週末の夜は思いっきり泣いてみよう。