*『人質カノン』宮部みゆき

 この人に一時期はまっていた。個人的には「魔術はささやく」から「模倣犯」あたりがピーク。歴史物や少年少女向きに移行してきた当たりから読まなくなった。 読んでていつも思うのは宮部みゆき(は、特に。他の作家でも大概)は、お行儀の良い少年が好きなんだなぁと思う事である。好感・好印象が持てるような若者、或いは子どもが出てくるので、何とかしてあげたい、って思えてくる。そんな設定が多い。
 気持ちは分からないでも無い。そんな宮部氏が保育士や小中教員になったなら、不安で仕方ない。今の世の中そんなに多くないぞ、お行儀よい子(笑)
 さてこの作品は多少の差こそあれ、安心して読めるものばかりだ。読後に不快感を感じることも無ければ、(あのトリックは現実感に欠けるよな)なども、もちろん無い。読書好きなら(もちろんもう読んでいると思うが)読む作品なんだろうなぁ。改めてそう思いながら読んだよ。

人質カノン (文春文庫)

人質カノン (文春文庫)