*『1917 命をかけた伝令』(サム・メンデス監督)


  全編ワンカット(に見える)映像、という触れ込みがあったので、気にしてみてみた。いったいどうやって撮っているのかと、それだけで☆4つと思いたくなる。
 ストーリーは、第一次世界大戦中、最前線(そこには兄がいる)に伝令を伝えるだけの話。だが戦争の怖さ悲惨さをこれほど描き出している映画はそうそう無い。また、ドイツ兵に追われて橋から激流に転落、滝壺まで落ちて九死に一生をえるが、穏やかになった川面に春の花びらが舞うシーンなど、よく考えて演出していると思う。穏やかな岸辺に流れ着いた死体は、水を吸ってパンパンになっているところもリアリティを感じる。
 割とよくアカデミー賞授賞式で見た飛行機墜落で逃げ惑うシーンがあるが、ちょっと横に逃げれば良いのに、いざとなると人は進行方向に逃げる、なんてシーンも逆にリアリティがあるのかも。
 アカデミー賞作品賞・監督賞の本命で、「ジョーカー」や「パラサイト」と競ったが、良い話ではあるんだが、結局伝令だけの話なんだよなぁ。あ、映画館で臨場感ありありで見るべき1本と思います。


サム・メンデス監督作!映画『1917 命をかけた伝令』予告