*『店長がバカすぎて』(本屋大賞受賞)

 話題作と、タイトルにインパクトがありいつか読もうと思った作品。吉祥寺の武蔵野書店が舞台。日本中のアーケード街が無くなっていく中で、しっかり繁盛している(それでもアーケード街のど真ん中に鎮座していた伊勢丹が撤退したのは淋しい限り)吉祥寺。さすがは「住みたい街ランキング」常に上位。アーケード街はサンロードだったよなぁ、確か。北口はけっこうゴミゴミしていて渋滞も多く、そんなにすごい街じゃないけれどナァ(南口は井の頭公園があって好きだが)。
 色々な商店があるけれど、書店もあったような(覚えていないが)。実際に武蔵野書店がそこにあるようだ。(ムサシノ学生服)というお店は確かあったような。
 作品は面白い作りになっている。また、全国書店員の本愛に満ちた作品でもある。まだ携帯も無かった頃、姉は待ち合わせをいつも駅前の書店にしていた。そこならもしもどちらか待ち合わせに遅れても時間が潰せる。吝嗇な我が家だったが、両親の読書好きゆえ、本題だけはほぼ青天井で買えた。ティーンの頃は随分助かった。姉はその後も本を買い続け、本に埋もれていったが、metooはモノに埋もれていくのがイヤになってなるべく読後も持たないようにしている。そんなことだから出版不況になっているんだろうな、きっと。

 書店員の苦悩や、バカの店長などが出てくるが、終始穏やかな話になっている。ミステリーもそれほど込み入ってない。1日あれば気軽に読める話。電車に乗って病院に行く、そんな時に読める話でしたよ。