*『6人の嘘つきな大学生』(浅倉 秋成著)

 都内のお供に図書館で選んで連れていった。ジャケットが派手で恥ずかしくもあったが、大変面白かった。何より人が死なない。謎解きもある。ミスリードのせいもあるが、犯人、っていうか探偵役もよく分からず。すっかり騙された感はある。魅力有る人物の影の部分が暴露されても、最後は綺麗にまとめてあるので、カタルシスな作品だと好感が持てた。
  就活が舞台、っていう今までに無いジャンルで攻めてきている。就活の苦しさと言ったら・・・その辺の描写も上手い。就活が上手くいかないと、なんかこう、人格を否定されたような気分になる。でも決してそんなこともないのにね。見渡せば、どうしてこの人就職試験受かったんだろう? と首をかしげたくなる先輩・後輩がごまんといる。一体どうなってんだ!?人事部!? でも社内に入って人事部が花形部署と言われれば、それは違うと言うのも、入ってみれば分かること。それでも、それでも10も20も「お祈りメール」が来た日には、心が折れて「替え玉受験」を考えるよ。替え玉受験してあげた人も、善意が入っているんじゃないか? まぁいろいろまとまらず書いたが、なかなかのお薦め本である。