＊『ドリームプラン』

  ああ、あれだ。ウィル・スミスが主演男優賞受賞したものの、ガンで闘病中の奥様を揶揄した司会者をぶん殴って物議を醸した奴。授賞式もアレだが、映画の内容の方も、「ビーナス、セリーヌ姉妹を世界一のチャンプに仕上げた黒人男性の話」と、ここだけ聞くとエエ話なんだが、あくが強くてこんなオヤジがそばにいたらウザいな、そんな話なのだ。
　すでに姉妹チャンプは既成事実で皆知っているから、サクセスストーリーだっていうのは分かっているが、まぁ黒人で生きていくのは大変だ。白人からは嫌がらせがあるし、同じ黒人ギャングからもお前の娘を犯してやるみたいなこと平気で言ってくるし、口答えすれば銃で殴られる。そしてそもそも金はないのに一流のトップコーチを（タダで）雇わねばならない。そんなにうまくいくの？
　Ｊｒ．の大会でスポンサーが付くかと思われれば、オヤジが周囲の大反対をよそに「これから一切Ｊｒ．には出ない」。あーめんどうなオヤジだ！
　イケメン俳優ウィル・スミスが疲れた中年オヤジに見えるのはメイク？　本当に冴えないイヤな面倒爺。しかしこのオヤジがいてこその姉妹チャンプなのだ。勉強ができなければテニスはさせない。教会にはちゃんと行け。この辺はしっかりしていた。観るのは正直気が重かったが、面白いし考えさせられる映画だった。

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