*『あなたが寝てる間に…』

サンドラブロック


サンドラ・ブロックが悪い女優という事じゃない。アカデミー主演女優賞も獲っている、同年のラジー賞に出る茶目っ気だってある。何しろ名作「スピード」は良かった! でも・・・好みじゃないんだろうなぁ。この映画も評判良いんだけれど、観る気が・・・
 ちょっと勇気を出して見始めれば、摩天楼・・・なのにニューヨークじゃなく、LAのような明るさもない。ちょっと背の高い所を走る電車に(あれ、もしかして・・・?) M・ジョーダンの銅像に(シカゴ!)と、いきなりテンション上がる一方、原題「WHILE YOU WERE SLEEPING」のテロップに、(まんまやん!)と突っ込み。
 地下鉄改札係の主人公ルーシーが毎日顔を合わせるだけの名も知らぬ乗客に恋する・・・「ラブストーリー」というよりは、「少女マンガ」のようなベタな設定。そのイケメンが、不良にからまれ線路に転落。気絶した彼を間一髪助けたは良いけれど、ふと漏らした言葉から婚約者と勘違い。誤解を解けぬまま病院で出会ったイケメン家族の優しい愛情に包まれて・・・
 WHILE YOU WERE SLEEPING、と言うより、「あなたが意識を回復しない間に」の方が正しい状況。この恋がどうなるんだろう? とやきもきさせる設定は「ラブコメ」。ところがここにもう1本別のベクトルが入ってくるところが、プロが作った「ラブストーリー」の証明だろう。はじめは彼女を疑っていたイケメンの弟ジャックが次第に彼女に魅かれ始めて、彼女も同じに恋を意識し始める。その頃ついにイケメンの兄の意識が回復する。さぁ、恋の行方は? 彼女は幸せになれるのか?
サンドラ・ブロックと言えば、アカデミー主演女優賞獲った「しあわせの隠れ場所」も良い味を出していた。昨年の「ゼロ・グラビティ」も良かった。改めて彼女の若い頃の良作に出会えたことは、幸せだったと思う。
 さて原題の「WHILE YOU WERE SLEEPING」。映画のラストに、このセリフが出てくる。それを観れば、(あぁ、このタイトルであってるなぁ)と思うようになっている。できればラブストーリーやラブコメは、大好きな人と観るのが王道だと思う。これから観る人は可能な限り、王道を行ってほしい。

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