*ようやく購入「角松敏生 REBIRTH 1~re-make best~」

何もかも躊躇すること無くCDを購入していた頃と違い、何にでも立ち止まるようになった。氏の30周年LIVEで長男誕生のお知らせと共に、育てていくためにもっと稼ぐぞ! みたいなことを言われると、さすがに(あんた、もう十分印税だけで生きていくのに困らないでしょ!)と突っ込みもいれたくもなり、オリジナルアルバムなら即買いなのだが、ここまで引っ張ってきた。背中を押したのは、何度も来るAmazonのおすすめメールのせいである(笑)
 ジャケットのお洒落な感覚が好きだ。少なくとも最新の「THE MOMENT」より1万倍良い! 頼むぞ角松! そしてライナーの角松敏生節だ。それだけでも十分なのだが(昔風に言うならば)、アルバムに針を落としてスピーカーから流れてくる曲には、角松との歳月の様々なシーンが思い起こされる。
 アップテンポな曲が良いのだが、妙に2. Tokyo Towerのようにjazzっぽいと、jazz barでなら良かったのにとは思うが、オリジナルでワイワイ騒ぎたい。そうそうそもそも1. Do You Wanna Dance のイントロでは曲名が分からないほどオリジナルとかけ離れていた。これは大人の世界の話なんだろうなぁと当時思い、実際に大人になってもそんなめくるめく世界は訪れなかったよっていうのが5. A Widow on the Shore。これはイイ感じに仕上がっているね。まぁそういう曲が多い。6. SUMMER EMOTIONSのような普段と音階を変えて歌うって言うのは不思議な感じだ。良いとか悪いとかじゃ無くて、不思議なんだ。
このアルバムと「T's 12Inches」を比較するファンは多い。この「T's 12Inches」は秀逸なファン泣かせのアルバムだ。例えば「レコード」で「12Inch」にこだわった佐野元春が、なぜこういうアルバムを出さなかったかが不思議でならない。そもそも角松も(リスナーの我々も)、年齢を重ねてきた事実を忘れてはならない。多少稚拙であったとしても、あの頃の躍動感にスリースターズを付けずにはいられないし、樽の中で熟成したシングルモルトのような輝きを持つこのアルバムも、やはり捨てがたい。
 シングルモルトのロックを支持する人たちだって、1ラウンド回ったあとのビールの旨さや、スモークチーズと共にするワインを否定はしないだろう。1日の疲れを、一杯のアルコールと共に過ごすBGMとして、最高の1枚であろう。なぜならこの曲と共に過ごした、マイヒストリーを振り返ることができるから。
 若いリスナーには、ここから歴史を刻み始めるのも悪くは無いだろう。今日はアルコールのせいで、多少文章が長いのをご容赦してほしい。

REBIRTH 1~re-make best~(通常盤)

REBIRTH 1~re-make best~(通常盤)