読書

*『ドイツ機甲師団 電撃戦の立役者 (第二次世界大戦ブックス)』

このシリーズで『空母』や『パールハーバー』『零戦』などは読んでいたが、自分は戦車に興味を持たなかったので未読だった。実際ロンメルくらいしか知らなかったし。この古い本を古本屋で手に取ったのは懐かしさもあったからだ。 小学生の頃はワクワクして読…

*『ラットマン』(道尾秀介著)

最後のアッと言わせるどんでん返し。それが道尾秀介の印象。今回も最後のどんでん返しが待っている。どんでん返し好きには堪らない作品だろう。しかし、しかしだ。どうも道尾秀介の作品は物語よりも、どんでん返しありき、のような気がする。 道尾秀介とは『…

*『スロウハイツの神様』

何でか知らないが、随分話題になったが、あまりタイトルには惹かれなかった。作者は辻村深月。『冷たい校舎の時は止まる』がデビュー作と知った時には鳥肌が立ったぞ。あの頃よりも文章がさらに上達したな、って(別に上から目線ではなく)思った。 板橋方面…

*『トゥインクル・ボーイ』(乃南アサ著)

子どもは純真無垢、そんなイメージはないか。大人は悪に染まっていて子どもは常に正義・・・だが果たして本当にそうか? 小さい頃、執拗に女子を苛めていたいたずらっ子はいなかったか? 汚い服装、脂ぎった髪の毛、鼻くそを食べるガキンチョ。あの子らも純…

*『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ著)

52ヘルツのクジラたち 作者:町田そのこ 中央公論新社 Amazon 知り合いのJCが手にしていたので、面白いかと訊いてみた。 司書さんからのお薦めで、と本の感想抜きで答えてくれた。 そんな、初めての町田そのこを読んでみた。 古びた漁村が見える田舎町に越し…

*『対話編』(金城一紀著)

対話編? プラトン? 図書館で『フーガはユーガ』を見つけ・・・読んだっけかナァ?悩んだ末、こちらを手に取った。先日読んだ『ニュータウンクロニクル』の文体は女性の書き手ゆえなのか、なんか違和感を感じたが、本著には無く、読みやすさ・面白さもあってサ…

*『元彼の遺言状』(新川帆立著)

王様のブランチで紹介。その前に「このミス」大賞受賞で話題。 「私を殺した人に全財産を譲る」というあり得ない設定に加え、現役弁護士が書いた作品ということでも話題を呼んだ。それゆえ、「殺した人に財産は渡らない」法律をかいくぐる抜け穴も存在するん…

*『店長がバカすぎて』(本屋大賞受賞)

話題作と、タイトルにインパクトがありいつか読もうと思った作品。吉祥寺の武蔵野書店が舞台。日本中のアーケード街が無くなっていく中で、しっかり繁盛している(それでもアーケード街のど真ん中に鎮座していた伊勢丹が撤退したのは淋しい限り)吉祥寺。さ…

*『ニュータウン クロニクル』(中澤日菜子著)

東京の西の方に住んでいるmetooでなくても、この小説「東京4市にまたがる日本最大のニュータウン」とくれば、(多摩ニュータウンのことね)とピンとくるでしょう。今や高齢者ばかりのオールドタウンになっているので、興味をそそられて手に取ってみた。ちな…

*『逆ソクラテス』(伊坂幸太郎)

久々に伊坂幸太郎の新作を読む。短編集で『逆ソクラテス』や『スロウではない』・『非オプティマス』・『アンスポーツマンライクファウル』などが収録、全て否定の単語がタイトルになっている。 学級内にあるいわれなき、学級カーストに悩む大部分の生徒に是…

*『民王』(池井戸潤著)

伊坂幸太郎ばっかり読んでいて、たまには硬派な熱量の多い作品も読もうか、冬休みだもんと思い本書を手に取った。もう古い本だ。読み始めてビックリ、池井戸潤にしては珍しいコメディだった。失敗。 魂の入れ替わり、っていう転校生の男女が入れ替わる往年の…

*『彼女が最後に見たものは まさきとしか』

「あ、いけね!」電車に乗る際に本がないと、時をつぶせない。早朝の出勤以外は、すぐに本屋に駆け込む。選んだ本が「彼女が最後に見たものは」だ。タイトルと、34万部に惹かれた。三ツ矢刑事と田所刑事相棒シリーズの第二弾って事だけれど、まぁいいや。…

*『岳』(石塚真一著)

家のボイラーが壊れて1ヶ月以上。苦難の日々が続いている。週に何回かスーパー銭湯にも顔を出して凌いでいるところ。そこにはマンガコーナーがあるんだけれど、何か没頭できる物に最近は出会えない。そんな中・・・ 山に登って山小屋泊だと、なにかやることが無…

*『卒業』(東野圭吾著)

一時東野圭吾にハマったので読んでいたかな。いや、多分大丈夫、未読だ。新参者の加賀恭一郎が初登場した作品(まだ現役大学生!)でもある。すでに阿部寛のイメージが固まっているので、阿部寛の大学生・・・ついつい「はいからさんが通る」で南野と絡んでいた…

今週のお題「読書の秋」 *『犯人のいない殺人の夜』(東野圭吾著)

今をときめく流行作家、東野圭吾。彼にどっぷり漬かったのは『容疑者Xの献身』の頃だ。私はハマる。その前は多分宮部みゆきだ。昔は清水一行や赤川次郎・筒井康隆・西村京太郎にさえハマった。最近では伊坂幸太郎だ。 しかし東野圭吾はあきた。それでも電車…

*『中国行きのスロウ・ボート』(村上春樹)

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫) 作者:春樹, 村上 中央公論新社 Amazon (読んだことあったっけ?) 最後の「シドニーのグリーン・ストリート」は確かにある。それ以外は自信が無い(本棚にも無い)。 全7編の短編集。冒頭に「最初4編が『1973年…

*『ステップファーザー・ステップ』

一昔前、好んで宮部みゆきばかり読んでいた。彼女の作る社会派サスペンスに、文字通り寝るのも惜しくページをめくった。それがいつの間にか、時代小説と少年少女向きの作品ばかりになっていった。本作は、そんな少年少女向きの、「はしり」である(と思う。…

*『JR上野駅公園口』(柳 美里)

全米図書賞受賞、ってあったのでつい本を手に取る。何しろこの賞ときたら樋口一葉著『たけくらべ』も受賞(翻訳部門)というのだから、さぞかしすごいのだろう。 主人公の男は1933年に「天皇」と同じ日に福島県相馬で生まれ、東京オリンピックの前年、出稼ぎ…

*『騙し絵の牙』

映画化されたので読み始めた。作者は大泉洋ありきで書き上げたと、どこかで聞いた。大泉洋か、悪くないのだけれど、一時期の西田敏行もそうだが、出演作多すぎでいささか食傷気味だ。あのくどいしゃべり方も耳障りだ。ただし別に悪くない。たまに観ている分…

*今週のお題「一気読みした漫画」

今週のお題「一気読みした漫画」 笑いが止まらなかったマンガは、 「マカロニほうれん荘」初期の1~2巻。トシちゃん感激~! 「かかってきなさい」(いがらしみきお) 昔はとにかくシュールで毒があった。 「ぼのぼの」の前の話である。 ぼのぼの(46) (…

*『ボトル・ネック』(米澤穂信)

米澤穂信は『インシテミル』で知り合ってから、数冊読んでいる。本作は文体に若さを感じる青春物語(のように)展開していく。ただし東尋坊から転落しそうになった刹那、姉が生まれて自分は産まれてこなかったパラレルワールドに紛れ込むSF青春物語なのだ…

*『魔王』伊坂幸太郎

買って読み始めて、あぁこれ絶対読んでいるよなぁと思いながら全部読み切った。自分のブログに載ってなかったから、読んだのは10年以上前なのかも知れない。あとがき読むと、出版されたのが小泉氏(もちろん純一郎氏のほう)が首相になった頃。時が経つのは…

*『モダンタイムス』(伊坂幸太郎)

先日(以前読んだことのある)『魔王』を読んだので、その50年後あたりを描いている(以前読んだことのある)『モダンタイムス(上・下)』を読んだ。読んだことあったかなぁ? この危惧は「浮気をしたら殺し屋雇って爪を剥ぐ」妻の佳代子さんが出てきてすぐ…

*『砂の女』安部公房著

有名な作家。確か前衛作家。あまり前衛の意味が分からない、実のところ。世界20カ国以上で翻訳されている本作、解説はドナルド・キーン。ならば名作なのだろう。 およそ60年前の作品だが、実のところ理屈っぽくしかも現実味が無いので、いや、ちょっとっ…

*『男ともだち』千早茜

すっごく良い話を読みたい。作中の誰も死なずに。 反論はある。人が死ぬほどなんだから、そりゃあ良い話なんでしょ、って言えなくも無いけれど、大抵の本で人がバタバタと死んでいく。まるでコナン君が周りにいるようだ。昔読んだ『容疑者Xの献身』は面白か…

*『殺人鬼フジコの衝動』真梨幸子

少し前、売れた記憶がある。しかし後味が悪く「イヤミス」とも呼ばれ、読まない方が良いんじゃ無い? と言われていて今まで読まなかった。 だが毒がある方が面白いのは事実で、読み始めたら睡眠時間を削って読んでいた。15人は殺した極悪非道な女の話だ。…

*『あの日、君は何をした』まさきとしか

読んでいてわくわくするもの。読後に感動がのこるもの。そんな作品を探している。近くの駅構内にある啓文堂書店さんは店員さんのポップがどれもよく、みーんな読みたい!って衝動に駆られる。(その点ツタヤさんではそういう気持ちが起こらない) そんな中で…

*『風塵抄』司馬遼太郎著

母が死ぬ前に、本棚から引っ張り出して再読していた。亡くなった朝もコタツの上に置いてあった。葬儀社の方から遺体と一緒に燃やす物で愛読書とか無いですか?と問われ、一緒に入れてあげようと思ったが気が変わって読んでいる。両親の影響か司馬遼太郎は好…

*『明日から使える死亡フラグ図鑑』が人気らしい・・・

朝刊の広告欄に「明日から使える死亡フラグ図鑑」が今話題です!とあった。イラスト付きの例では、1「殺す前に『冥途の土産に教えてやろう』と主人公等に話し出す殺し屋」 2「戦場で『この戦いが終わったら故郷に戻って結婚式を挙げるんだ』と語る奴」 が…

*『猫ピッチャーが好き』(byそにしけんじ)

読売読者以外知らぬと思うが、日曜版よみほっとに連載中の猫のミーちゃんがプロ野球投手の漫画である。ナンセンスこの上ないがついつい繰り返し読みしちゃう。 10/25はミーちゃんが「じーっ」と見つめると周囲の人間がミーちゃんの思いを先読みして色々施し…